【刀ステ】ネタバレ感想殴り書き ~悲伝~

 「悲伝 結いの目の不如帰」感想・考察

 

   7/4       福岡公演

      7/29    大千秋楽ライブビューイング

   2回公演を見ての感想殴り書きです。記憶違い多々あり。

   ネタバレに一切考慮しません!個人用の覚書です ご了承ください。

 

キャラ感想

足利義輝

 これまで刀ステの中で 刀剣男士や時間遡行軍を認知した歴史上の人物は数多くいたけど、

「ループ」を認識したのは義輝が初めてではないかな。

そして刀剣男士の手にかかって死ぬのは2人目(虚伝の蘭丸以来)。

でも義輝は、自ら望んで骨喰に介錯を頼んだわけだから…。三日月を使わず托したり、刀ステの歴史上人物らしく潔くかっこよかったです。 

 

☆鵺と呼ばれるもの/時鳥

 今回のキーパーソン(?)。足利義輝の執念がうんだ、いくつもの刀から成る存在。

"刀"という単語を口にするとき、「っ、かっ、刀」と詰まるのが気になりました。これは義輝から名をもらう前は、"刀"としても曖昧な存在だった、ってことなのかな。

義輝から、時をかけ導く存在であるという意味を込めて「時鳥」という名を授かり、彼も一振りの"刀剣男士"になったんですね…

→・口上を述べている

 「明鏡止水の刀」と…。『明鏡止水:邪念がなく澄んだ心の様』だとか。刀として物語、自我を確立したということの示唆、そして主である義輝への曇りない忠誠心のことかな。最後の最後まで義輝に尽くし、揺らぐことはありませんでしたね…。  

 ・破壊シーン

  ジョ伝での山伏国広の破壊とおなじ描写でした。

 ・エンディングの番傘

  鵺ではなく時鳥、と書いてあるのをみて無事涙腺崩壊。確かに彼は義輝の刀だったんだなあ、と。

たどたどしい幼児のようなしゃべり方、狂った獣のような戦いっぷり、どことなく時間遡行軍と似た身のこなし(ゆらゆらしてる感じ)。名をもらった際の嬉しそうな様子、ひょこひょこと義輝のあとをついていく姿は子供のような雛のような、まさに純粋無垢といった感じ。覚醒後の落差が半端なかった、ぞっとしました…。てっきり三日月を取り込んだのかと;;

時鳥と、政府側の刀剣男子って、本当に近くて、スレスレのところで違う存在なのかなぁ…と思ったり。だって長谷部の盲目的な「主のためならなんだってします」なんて、時鳥くんにそっくりな気が。ただ立場が違うというだけで、人々の物語から生まれ、主のために戦う点は同じなんですよね…。

難しそうな役を演じきった碓井さん、気になる役者さんになりました。

 

三日月宗近

三日月だけで1万字のレポートが書ける。虚伝からずーっとそうですけど、このおじいちゃんの手の上でコロコロされっぱなしだよ…。彼のために、いったい何リットルの審神者の涙が流されたんでしょうか…。

さて、刀ステだけじゃなく、もともと三日月宗近という刀自体、あまり素の自分をみせないところがあります。鷹揚で微笑みを絶やさず、しかし常に一歩引いたところで俯瞰している。そんな三日月宗近の本心が随所に描写されていたのが今回の刀ステでした。

いうなれば、月の裏側を見た、というか…。いつも美しく輝く月の表ではなく、クレーターだらけで暗い裏側の部分を覗き見た、という感じ。

「もう少し仲間でいたかったなあ…」「この時がずっと続けばいいのにな」という言葉は、三日月宗近の心からの切実な願いなんだろうなあ…。一人で何回もループを繰り返し、必ず仲間と決別し刃を向けられる。それをわかったうえであの振る舞いをしていたのか、と思うと…つらい。

 

 

 

 

☆山姥切国広

今作はほとんど笑顔が見られなかったね…;; ずっと泣いてるか苦しそうな顔で。 次はいっぱい笑顔を見せてください…!

光忠が認める通り、本当に近侍として成長したなあ…と。ジョ伝では冷静な判断ができず、虚伝では小夜との距離を見誤り、うまく接することができない。そんな彼が、悩んでいる光忠をさりげなく気遣い、混乱の中で「主もいない今、指揮をとれるのは君しかいない」と言われるまでに信頼される刀になった。刀ステは彼の成長物語でもあるんですね…。

今作で、これまで絶大な精神的支えであった三日月宗近を失うことは、まんばちゃんにとってもすごくつらかったと思う。そしてあらまっきーにとっても。

三日月のもとへ向かうシーンでの「手のかかるクソジジイ」発言。虚伝でもクソジジイ呼ばわりしてたのを思い出します。口は悪いけど、本当に三日月宗近のことを信頼していて、(ノーマルな意味で)愛しているんだなあ、というのが伝わってきましたね…。親鳥と雛のような関係。ほかのみんなが三日月に刀を向ける場面で、まんばちゃんだけは斬りかかることはできなかった。しかし最終的には、消えゆく三日月と本気で刃を交えるわけです。ここの心境の変化はなにゆえに…?主の命に従うことにしたのか、三日月の想いを受け取って斬ることを決断したのか。円環にとりこまれ三日月が何を見てきたのかを理解したから、彼を斬ることで救おうとしたのかなあ…、と。

終盤、布を被っていないお姿を慌てて望遠鏡でのぞいたら、余りのまぶしさに目が焼けるかと思いました。ライビュで見たらもっとやばかった。

 

へし切長谷部

いや毎度のことながら、和田雅成くん適任すぎる!!!こんなにドヤ顔腕組みが似合う方ほかにいらっしゃいますか…?ええ、まーしーさん推しですすみません。

修行先で戦闘服で畑耕してる姿がツボでした。芋ジャーじゃないんだね…?相変わらずステ長谷部=おはぎの呪縛…。

そして、極めた後の主至上主義の突き抜け具合がはんぱない。どえらい声で「主ーーーーー!!!」って叫んだり、遡行軍から主を手で庇ったり。斬った敵を足蹴にし、不敵な笑み(ドヤ顔)。主に仇なす者は敵も味方も容赦しない!!いっそ清々しい位でした、ほんとそういうとこ…。

そしてまんばの尻を叩く役どころでもある。どうも長谷部からは、「汚い役回りは俺に任せろ!」みたいなものを感じる。和田雅成さんによると、「三日月は俺が斬る」発言は100%の気持ちではない、と。山姥切は三日月を切れないから、自分がいく、という思いがあったと…。煮え切らないまんばに怒鳴り、胸ぐらをつかみ、決断しろ!と煽る。まんばと長谷部は本丸初期からの仲だと思うんですが、全くタイプが違う、対極にあるような二振りですよね。ジョ伝のころはうまくかみ合っていなかったけど、だんだん信頼関係も構築されて、お互いいい具合に作用してるんじゃないかなあと…。二振りの関係は、本丸の歩みと共に深くなっていったんだなあ…。ジョ伝外伝でしっかり描かれたからこそ感慨深いものがある…。

余談ですが、カテコの時、まーしーさんっていつも軽く劇場全体を見渡すよね。

去り際の笑顔で小さくバイバイが、メンタルゴミ審神者には救いでした;;

 

☆不動幸光

鯛造くんもインタビューで語ってたんですけど、まさか虚伝から再び刀ステに戻ってきてくれるとは思いませんでした。正直、お小夜ではなくなんで不動君だったのか?と思いました。決して、否定的な意味ではありません。不動君が嫌だったというわけではなく…!これまで短刀枠のお小夜は皆勤賞だったので、ここで不動君を出してきた意味が気になったのです)

・鵺とよばれるものの引き合いとして?

  実際、不動君自ら過去の自分と重ねてた。最終的に振りきってたけど。

・長谷部との対比として?

 今回長谷部も同時に修行に行って同時に帰ってくるわけですが(仲良しかよ)、対称的な二振りなのが面白かった。長谷部はアンチ(気味)織田信長、一方不動君は信長様大好き。そんな二振りが修行を通して前の主への想いと向き合い、「今の主のために」と決意を固める。反対を向いていた二振りが同じ方向へと進む…最高にエモい。

・「自らの物語」に向き合った例として?

  後述しますが、今回のテーマって「自らの物語」とどう向き合うか、ってのが根底にあると思うんですよね。いや、これは刀ステ全体を通してのテーマかも。

自らの物語と向き合って答えをはっきり出した例として、ぴったりだったんかなあ。

まあ、末満さんの考えてることなんて理解できるわけがないのでこの辺にします。単に、元気枠としてもちょうどいい感じだったんでしょーかね…

久々に戻ってきたと思ったらチークもないしシュッとしてるし変わりすぎ!笑

必死に甘酒我慢してるのがかわいかった。たまには飲んでいいよ?!

 

☆燭台切光忠

これまでは、どちらかというと"見守り役"としての立場でしたが、今回は物語を波立たせる側に回りましたね。

これまで、明るく優しく朗らかな彼を見てきたからこそ、今回、己の刀としての在り方に悩み、葛藤する姿が印象深かったです。燭台切光忠と言いう刀の、新たな1面を知ることができたなあ、と。伊達政宗からもてなしの心を受け継ぎ、戦いよりも料理をしている方が好きだという。歌仙から「刀の本分を忘れるな」と叱咤されますが、どうにもここでこの流れを出してきた意味を知りたい。次回作へのフラグかな…?

そんなことを言ってはいるけど、黒甲冑に「焼けた刀は刀と言えるのか」と問われた時、「僕は刀だ!!」と…。自分自身に言い聞かせているようにも聞こえた。

そして「ぽっかりと記憶がない」「たまに、なんか大切なものを忘れている気がする」発言。三日月関連のフラグなのかなあ…?(毎回三日月の異変に気付いて斬りかかるのは光忠らしいし)それもあるんだろうけど、なーんか含みがある気がしてならない。次回作以降、より深く掘り下げられるのではなかなーと期待してます。

三日月に疑いを持ちながらの軍議シーンは、観劇した際、「あこれ絶対とんさん見るべきや」と思って、喋ってる人そっちのけで光忠を望遠鏡でガン見していました。表情の機微がすごくて、あー凄いって感動した…(?)

そして一つ疑問が。なぜ、周りに三日月のことを言わないのかな??と正直思った。

疑念のうちに言うべきではないと判断したのか…。そういう性格、で片づけてしまえばそれまでなんですけども。

三日月討伐の出陣の儀、いつもは声高々なのに、今回は躊躇いを残しつつ…といった風でした。そして歌が相変わらず最高…。

 

☆歌仙兼定

ついに!!インナー解禁ですよありがとうございました!!あの顔の美しさでゴリゴリの筋肉というギャップがたまらんのですよ…。完璧でしたわだっくまさん。

今作は光忠との仲の良さがところどころ垣間見えましたね。厨での身長差…支部でよく見るやつ~!

軍議のあとも、光忠の異変を察してまんばと目くばせしたり、チラチラ気にしたり。彼は「人見知り」らしいですから、ズバッと「何か悩みがあるのかい?」と踏み込めるあたり、光忠との関係性や不器用さが透けて見えました。

7/4のアドリブと思われる捌け際の「お小夜ーーー!!」の叫びは爆笑しました。シリアスすぎて劇場の空気がほんとーーに重かったので、笑いどころをちょくちょくぶっこんでくれたわだくまさんありがとうございました。

 

☆骨喰藤四郎

かわいい~…。というのが第一。

殺陣の足技、あとブレイクダンスみたいなの何ですか?(アホがばれる) 何回見ても骨喰の殺陣はすごかった…。

言葉数が少ない分、愛情表現は不器用でストレート。三日月を抱きしめるのは素直な親愛の現れかな…。ジョ伝でも山伏ぎゅってしてたし。かわいい。

三日月を追いかけた理由が「寂しい目をしていた。一人にできなかった」って、なんて優しい子なんですか…。三日月に、ここまで純粋でまっすぐなきもちでぶつかってくる子ってばみちゃんくらいじゃないかなあ。抱きしめた時、三日月の顔はおそらく意図的に隠されてたんだけど、どういう表情だったのか気になる…。

義輝の介錯するとき、本当に泣いてた…。記憶がないのに悲しい、と。三津谷くんもパンフで言ってたけど、細胞や体は覚えているのかな。記憶はなくても魂?物語として核の部分には残っているんですかね。

彼も修行の旅に出るようですね。次回作も出ますよね?待ってます。

 

大般若長光

観劇前、Twitterで一足先に観劇された審神者の皆様が口々に「声帯にみきしんを飼ってる…」とざわついていらっしゃったので、オイオイ本当か??と半信半疑でしたが、本当だった。演じられた川上将大さんはまだ経験が浅くてお若いようでしたが、舞台上では大般若の高貴さ、上品さ、軽妙さを表現されていました。今後が楽しみな俳優さんですね!

役どころとしては、光忠や骨喰を見守る立場でした。個人的に好きで頑張って育てているキャラなので、もっと目立ってほしかったな~。

 

☆子烏丸

これまた観劇前に「これは父上」との感想がちらほら、やはりオイオイ本当か?と思っていたら、これは父上でした。

もう登場時の足取りからして別格。ふわりふわりと、まるで飛んでいるかのような軽やかさ。え、ワイヤーかなんかつけてました?声もそっくり。驚異の片足立ちキープ。

神様感が半端なかったです…。冒頭、みんなが子烏丸さんのもとに恭しく集まったり、「子烏丸様」呼びなのも別格感が。

顕現してからあまり日は経っていないはずなのに、ふわりひらりとした殺陣。これはもう刀としての格の違いってやつなんですかね…。手合わせ後、大包平にあっかんべするようなお茶目さもあってかわいかった。

今作で、これまでゆるぎない柱であった三日月宗近があんなことになり、混沌とした中で、凛と動じない子烏丸さんの存在が本当に本当に大きかった。刀剣男士側にとっても、観客側にとっても。ストーリー的にも、子烏丸さんのおかげで崩壊せず形を保てていたなあと感じます。

三日月宗近さえ「子よ」という器の大きさ。わが本丸にはまだいないので、支部などで拝見する限りやたら父ぞとかいうボケキャラと思ってました…が、これは名実ともに父上です。

 

☆鶯丸

筋肉がむちむち。そして声の艶が凄い。

大包平とセットでしたね、いじりが半端ない。けど鶯丸だからこそ許される、愛あるいじりですよね。回想とか原作セリフを随所にいれてきましたね。一番多かったような印象が。

激しい殺陣で声を荒げた後の、声色をがらりと変えて「まあ、細かいことは気にするな」が、うわーー刀だーー(?)、と思いました。

 

大包平

声がでかい!愛すべき馬鹿正直さ(誉め言葉)。

今回、登場キャラが割と落ち着いた刀ばっかりだったので、彼は良いスパイスになってくれたなあと思いました。

三日月宗近は裏切り者か?ともめた時、なんの躊躇いもなく三日月を信じた彼はやはりさすがだなあと。

「美しいと人々の心が三日月宗近を作った。その三日月宗近が裏切り者であるわけがない」と…。まっすぐすぎる考えですが、説得力があった。

演じられた加藤将さんが素であほの子っぽい(誉めてます)のもかわいい。カテコやTwitterから伝わる愛されっぷり…。ところどころセリフが滑り気味になってたけど、それも大包平っぽくてよかったんじゃないでしょうか?(笑)今後が楽しみ。

 

鶴丸国永

義伝のときからなにか感づいていたようではありましたが、さすがに想定外だった様子。しかしその"悲しい驚き"すら受け止めようとする器の大きさ。

再び現れた黒甲冑、あんなに苦労して倒したのに~!?と思いましたが、「またその思いも一緒に連れてってやるよ!」という懐の深さ。マリアナ海溝並みです。

ただ今回あまり目立つシーンがなかったのが残念。本筋に大きく絡むというよりは、ちょっと傍観者側だったかな?三日月とはなにやら関係も深そうなので、今後鶴丸さんが掘り下げられる展開期待してます

 

悲伝には出ていなかったけど、これまで刀ステに登場した刀の名前全振り呼ばれるという憎い演出もありましたね。戦いの中で自然に名前が呼ばれていました。ここにいないけどいる、これまでの刀ステの歩みをちゃんと感じました。

パンフレットにも登場した全刀剣男士のインタビューがあり…。「集大成」にふさわしいものでした。

 

いつも思うんですが、毎回刀ステのキャスト人選には感謝しかなくて。

個人的にですが、本当に今まで、「うーん、この人違うな」って人が一人もいない。それは顔とか声とかの話ではなく(もちろん刀ステはビジュアルのレベルの高さも素晴らしいですが)、キャストの皆さんが、各々刀剣男士として、板の上で期待通りに、いやそれ以上に役に入り込んで生きてくださっているので、安心してみていられます。

末満さんのキャラ解釈が素晴らしいのはもちろんです。刀剣乱舞という、原作の設定が緩く解釈の幅が広いコンテンツだからこそですね。

 

そして、鈴木拡樹さんが三日月宗近で本当に良かった。ジョ伝や外伝には彼はいませんが、鈴木拡樹という俳優を大黒柱にしているからこそ、座組全体のレベルがここまでア高いんじゃないかなあ…(もちろんほかのスタッフさんが一流ぞろいなのも大きいでしょうが)。鈴木拡樹という俳優が生きている時代に生まれてよかった…(笑)

これから舞台刀剣乱舞がつづいていくにしても、キャストはなるべく変えないでほしい。いろんな解釈が許される自由なコンテンツだからこそ、人が変わるともうそれは別の本丸になってしまう。その心配は今のところあまりしていません。あとキャス変しても一応見るとは思います(笑)が、このキャストだからこそ舞台刀剣乱舞はここまで深められたし来るところまでこれたんだなあ、と思っています。

 

とりあえず、悲伝という舞台上で生き抜いてくださった、アンサンブルさん含めキャストの皆様方、お疲れさまでした&ありがとうございました!!!!